今、図書館は、地域の課題解決型図書館として、行政支援、子育て支援、ビジネス、医療・健康、法律などの地域の課題解決に取り組んでいます。
ひとりひとりが情報にアクセスする権利や知る自由を保障するための役割を果たす司書の役割はますます重要になっています。本学では、司書資格、司書教諭資格、学校司書を取得できるカリキュラムや講師陣を用意しており、実践的なカリキュラムをとおして、資格取得とともに、「情報リテラシー能力」を身につけ、さまざまな分野で活躍できる人材を養成しています。日本語日本文学科では、司書資格の取得をめざす図書館情報コースを設置しています。
みなさんは自分で何か行動しようと思った時、どのようにして情報を収集しますか。「スマホで何でも調べられるから本も新聞も不要」と思っている方もおられるかもしれません。確かにスマホは便利で日常生活に欠かすことができないことは否定できません。でも、全ての情報がWEB上に存在しているわけではありません。じっくりとたくさんの本や資料を紐解き、調べないと解決できないこともたくさんあります。そんな時、頼りになるのが図書館です。図書館にはもちろん、市民のニーズに応えるため、ベストセラーになった人気の本や気分転換に手に取る雑誌もたくさんあります。でも、それだけではありません。過去の出来事について順を追って調べるための資料や、今や書店でもネットでも買えない貴重な資料がきちんといつでもだれでも利用できるように整えられています。「図書館法」という法律には無料が掲げられていますので、費用はかかりません。また、普段利用している身近な図書館に求める資料がなくても、あきらめないでください。全国の図書館はネットワークでつながっていますから、図書館司書は「草の根を分けても」あなたの求める資料を探してくれます。
私は元図書館員です。図書館という仕事に興味を持ったのは、まずは私自身、図書館が大好きだったことです。具体的な体験として、20代後半のもやもやしていた時期に図書館で出会ったたくさんの本が私の心に響きました。まさに乾いた大地が水を吸収するような状態で、それまで私が持っていた固定観念を打ち砕いていきました。それで思ったのです。「図書館員の仕事って、なんて魅力的なのだろう。1冊の本がその人の生き方を変えることもある!」と。
みなさんも本学で図書館について学び、ぜひ、司書や司書教諭、学校司書の資格を取ってください。私たち教員が、図書館や図書館員の世界にご招待いたします。図書館員の仕事に就かない人にとっても、情報を使いこなす力がつくことは間違いありません。