Education major

教育専攻科

専門的力量を持つ、
教育実践者を目指して

教育学に関する専門的な事項を教授し、その研究を指導することを目的としています。学部での学びを基礎として、より広範かつ綿密な追究ができるよう、教育学・心理学の各領域にわたる多様なカリキュラムを用意しています。輩出した修了生は、本学専攻科で身につけた専門性を教育現場で発揮しています。
Policy

教育方針

教育研究上の目的
教育専攻科は、教育における専攻分野のより専門的な研究および実践能力を育成することを目的とする。
アドミッション・ポリシー
(入学者受入れの方針)

教育専攻科は、教育に必要な豊かな人間性と強い使命感を有し、理論に裏打ちされた高い専門性と実践力を備えた人材の育成を目指します。

求める学生像

  • 学部での学びに基づいて論理的思考力と表現力を持っている。
  • 専門分野を究め、専修免許を取得しようという意志をもっている。
  • 学校教育に強い関心があり、幅広い教養と高い専門性を獲得することによって自らの実践力を高めようとする強い意欲をもっている。
  • 自律的に研究を進め、様々な人々と協働して積極的に課題に取り組もうとする態度をもっている。
カリキュラム・ポリシー
(教育課程編成・
実施の方針)

編成の方針

建学の精神「報恩感謝」ならびに教育理念「自立・創造・共生」に基づき、教育専攻科では、学部での学びを基礎として、より広範かつ綿密な学術的追及ができるよう、教育学や教育心理学の各領域にわたる多様な科目を履修することによって、学際的な視野を兼ね備えた教育実践者として、より高い技術や能力を修得できるようにする。また、幼稚園、小学校、ならびに中学校(国語・英語)高等学校(国語・英語)教育職員の専修免許状取得に対応できる教育課程を編成している。

カリキュラムの構成

教育学に必要な様々な領域をより広範囲に学ぶため、学校教育学、特別支援教育学、日本語教育学、英語教育学、教育心理学の各領域における専門の講義に加え、さらに高い実践力を養成する演習形式の授業や実践研究の課題を設定している。これら学びを通して、教育実践者として必要な幅広い教養と専門的な知識・技能、問題解決能力、自律的・主体的・共感的態度、実践力を持つ人材の育成をはかる。

教育内容・方法

  1. 報恩感謝の心と幅広い教養

    教育社会学や比較教育学など多様な視点を育成することを目的に設置した科目の履修により、報恩感謝の心を身につけ、幅広い教養を修得する。

  2. 専門的な知識・技能

    教育実践研究や英語教育学、また日本語学など、より高い指導力を底支えする理論を身につけることを目的に設置した科目の履修により、高度な専門知識と思考力を修得する。

  3. 問題解決能力

    学校や教育の場面で起こる様々な問題解決への糸口や援助方法を学ぶ教育臨床に関する科目や、障がいのある子どもたちへの支援やアプローチの方法を身につけることを目的とした特別支援教育関連の科目の履修により、課題を自ら見出し、問題を解決できる能力を身につける。

  4. 自律的・主体的・共感的態度

    一人ひとりの子どもに対する深い理解の力を身につけることを目的に設置した学校教育学や教育心理学などの科目の履修により、自律的・主体的に、問題を解決する態度を継続できると同時に、多様な人々に共感的態度で接することにより、協働して問題解決の成果を共有することのできる人材を育成する。

  5. 実践力

    教職研究や教育課程に関する講義や演習など、教育実践力を高めることを目的に設置した科目の履修により、教科横断的な教育課程の在り方やカリキュラム・マネジメントの観点から、ICT機器や各種ソフトウェアの利活用を学ぶと共に、質の高い授業のできる実践力、学級指導、生徒指導、進路指導等におけるすぐれた指導力を養う。

評価の方法

授業への取り組み、研究発表、試験、レポートなどで総合的に評価する。

4つの学びの特徴

一人ひとりのこどもに対する深い理解の力

学校生活への適応問題について専門的立場から、子ども一人ひとりに対する深い理解がもてるよう、教育臨床に関する専門的知識や技術の修得に力を入れます。

総合的な指導力

横断的・総合的な課題に対して適切な指導ができるよう、担当教科とかかわりのある学際的領域について幅広く学びます。

すぐれた授業を作り出す力

教科指導についていっそう深く学び、各分野の最先端の理論や技術など新たな知見の獲得を通して、質の高い授業実践力を育成します。

生徒指導の力

学級指導、生徒指導、進路指導等においてすぐれた指導力を発揮できるよう、ガイダンスやカウンセリングの知識・技術の修得に力を入れます

Message

専攻科長メッセージ

教育専攻科長小田 浩伸

本学には一年課程の「教育専攻科」が設置されています。教育専攻科は、学部での学びを基礎として、より深化・応用した学びが追求できるよう、教育学や教育心理学の各領域にわたる多様な科目を履修することによって、学際的な視野を兼ね備えた教育実践者として、より高い技術や能力の修得をめざす課程です。また、幼稚園、小学校、中学校(国語・英語)、高等学校(国語・英語)の専修免許取得に対応できる教育課程を編成しています。

近年の「変化が激しい社会」において、新しい未知の課題や価値観に対応する力を育てることが学校教育に求められています。つまり、予測困難な時代を生きる子どもたちの必要な資質・能力を育てることが教員の使命といえます。今後さらに求められる教員の専門性として、ICT利活用教育(生成AI、教育DX等)、多様なニーズのある児童生徒の理解(発達症、愛着形成の課題、学力の課題、LGBTQ、ギフテッド等)、学校不適応への予防と対策(いじめ、不登校、暴力、非行、ギフテッド、生徒指導、集団づくり等)、特別支援教育(インクルーシブ教育システム、自立活動、巡回相談、医療的ケア、特別支援教育コーディネーター等)、小学校の教科担任制(教員の専門性向上による質の高い授業実現、児童の学力向上等)などの教育課題が挙げられます。

<学部生のみなさん>

学部を卒業して教育専攻科に進学し、専修免許取得とともに、上述の教育課題に対応できる専門性を身に付けてから教育現場にでることを考えてみませんか?一年間の学びは、きっとこれからの教職経験に役に立つと思います。

<現職の先生方>

現職教員としての実践経験の振り返りと、新たな学びへの挑戦、最新情報を収集する一年間として、現職のまま教育専攻科への入学を考えてみませんか?きっと、学びの充電と、次のステージに向けたリスタートになると思います。          

皆さんのニーズに応じた新たな学びとその深化、専修免許状の取得など、担当教員が全力でサポートしますので、一緒に学び合いましょう。

科目紹介

「広げる」教育に必要な様々な領域を幅広く学びます。

学校教育の理論と実践を学びます。

教育学特講Ⅰ

急激に変化する社会の中にあって、学校教育には様々な課題があり、教育対象である幼児・児童・生徒も、その家庭背景も含めて非常に複雑化、多様化しています。こうした現状において、教師には子どもたちに対する的確な理解力と確かな指導力が求められています。本講義では、学校現場で起こる様々な場面を研究し、実践的対応力を身につけるとともに、教員採用選考テストで問われる教員としての資質や能力について学修します。

教育学特講Ⅱ

本授業では、「主体的対話的で深い学びのためのグループ技法」「学校におけるICTの活用」「配慮を必要とする幼児・児童・生徒に対する理解と支援」「保幼小の連携・接続」など現在の学校教育の課題が学びのテーマです。理論に加え、先進事例や多様なとりくみに学びながら、「調べる」「まとめる」「発表する」「意見交流する」を組み合わせて学んでいきます。

支援教育など新たなニーズにも応える力をつけます。

教育臨床特講

学校や教育の場面で起こるさまざまな問題を取り上げ、分析・解明し、児童・生徒、教師、学校、保護者、地域社会の人々にさまざまな支援を行っていこうという立場に立ちます。つまり教育に関する問題の解明と、カウンセリングや教育相談を中心としたさまざまな問題解決のための援助をテーマとして、多様な切り口から教育問題について議論し、考えを深めます。

学校教育学特別演習

現行の教育実践の理論的基礎を検討し、その意義について考えます。また、発問や板書の方法など、教育指導技術のあり方についても考え、目的に応じた適切な教育方法について提案できる力を培います。その他、授業に不可欠な教材・教具・情報機器・デジタル教材の利用や有用な活用方法、管理の効率性についても考え、実際の授業へ展開する力をつけます。

教職研究特講

教育改革が進む中で、「新たな学び」を支える教員の養成が急務となっており、そのキーワードは、教職生活全体にわたって「学び続ける教員」です。本講義では、魅力的な授業を実践できる【授業づくりのプロ】、共感的に子どもを理解し支援できる【子ども理解のプロ】、活気ある学校づくりができる【学校づくりのプロ】の養成をねらいとして、実際の学校の教育活動に活かせるよう、豊富な事例を取り入れ、教職生活全体にわたって学び続けることのできる資質能力を養成します。

特別支援教育特講

障害のある子どもの実態把握、個別の支援計画の作成、保護者との連携、チームアプローチ等について実践的に学びます。発達障害(LD・ADHD・高機能自閉症等)、知的障害、肢体不自由等の子どもとの関わりや支援実習を通して、個別の指導・支援計画の立て方や指導・支援の方法を実践的に学ぶこと、及び、障害のある子どもの保護者の悩みや心情等を理解することを、この授業(演習)のねらいとしています。

「深める」ここから、どんどん深く学んでいきます。

自己表現や基礎教育の実践的指導を深めます。

表現論

「表現すること」は、すなわち「生きること」と同義であると考えられています。この授業では、描画材や粘土などを使った絵画・立体制作に加え、ICT機器を使ったアニメーション等の動画制作も経験します。また、美術館等での鑑賞活動にも取り組みます。このような活動を通して、「自己の内面」に向き合い、「自分らしい表現を追究」することをねらいとしています。

教科教育法特講Ⅰ

国語科授業の基礎・基本と令和の日本型学校教育に向けてGIGAスクール構想にも対応できるような教育方法を一緒に研究していきます。教科書教材をより発展させたダイナミックな授業を構想し、授業方法の引き出しを蓄積します。国語教育に関する視野を「広げ」、ことばの教育の教材研究を「深め」、主体的・対話的で深い学びを目指す教師力と授業力を「高める」授業です。

教育心理学特講Ⅰ

心理学を活かした教育分野における支援アプローチに触れ、子どもの発達支援に関する実践力の向上を目的とした授業です。具体的には、文献講読を通して多様なニーズをもつ子どもたちへの発達支援の実際やその過程について学びます。また、教育分野で適用される支援アプローチを自ら体験し、現場で使える心理学の知見を活かした専門的技能の獲得を目指します。

教育社会学特講

学校内外の教育事象を社会との関わりから捉えなおすことで、自らの視野を広げ、教育に対する考え方を深めることを目的とした授業です。扱うテーマは教員問題、教育と格差、ジェンダー、国際化など、多岐にわたります。講義形式により知識の確認・定着を図りつつ、受講生によるプレゼンテーションやディスカッションを通し、「対話的」で「深い学び」を進めています。

「高める」学びの集大成。指導力を高めます。

教育技術や実践力を高めます。

教育課程特講

教育課程の基本事項について学ぶとともに、現代的課題に対応できる力を身につけることを目指します。具体的には、教育課程の法制度的位置づけや歴史的変遷について理解することに加え、昨今重要視されるカリキュラム・マネジメントの観点から、教科横断的な教育課程のあり方、ICT機器や各種ソフトウェア活用のあり方について実践を交えながら検討していきます。

教職をめざす専攻科生を支援する、各種センターを設置

教員採用試験対策として各種サポート等を行う「教職教育センター」に加え、研究・研修・相談支援を結ぶ拠点である、幼児教育分野での「幼児教育実践研究センター」、及び特別支援教育分野での「特別支援教育実践研究センター」を設置。各センターは学部生、専攻科生の学びの場としても活用されています。

教員紹介

その他の開講科目

教育実践研究Ⅰ

教育制度や理論に関する知識を身につけ、社会状況や社会制度を関連させて、現代の教育問題について説明し、意見を述べることを目標とする。

教育実践研究Ⅱ

学校支援ボランティア等の体験を通して、子ども理解を深め、学校教育の課題を学ぶ。学校現場の諸課題について、体験したことや見聞きしたことを交流することにより、自分が教員になった際に活用できる実践力を身に付ける。

教科教育法特講Ⅳ

図画工作科の指導者における、求めている資質や能力はどのようなことなのかや、材料や用具の指導方法など、教育現場で遭遇するであろう疑問について考えていく。受講者同士のプレゼンテーション、ディスカッションを通じて追求し、理解を深めていく。

教科教育法特講Ⅱ

算数教育の教材研究を自分で行えるようになるための、基礎的知識と基本的技能の修得を狙いとする。実践力を養うために、教壇に立つことを想定して算数的活動を自ら体験する。

教科教育法特講Ⅲ

深みのある教材研究を行い、ねらいの明確な学習指導案を作成し、子どもの実態を視野に入れた模擬授業形式のプレゼンテーションを行う。なお、社会科のなかでも特に「歴史」分野を中心に学び、地域資料の重要性を理解し学ぶ。

その他
  • 教育方法学特講
  • 教育心理学特講Ⅱ
  • 比較教育学特講
  • 保育内容研究Ⅰ
  • 英語教育学特講Ⅰ、Ⅱ
  • 英語学特講
  • 英米文学特講Ⅰ、Ⅱ
  • 日本文学特講Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ
  • 日本語学特講
  • 漢文学特講