2019年度春季特別展
近代の礼装きもの
2019年度の春季特別展は、貝塚・廣海(ひろみ)家から近代のきもの27点が寄贈されたことを記念して企画しました。廣海家は、泉州の海辺の町、貝塚で栄えた商家であり、江戸時代末、主に米穀肥料を扱う廻船問屋を開業し、明治期から第二次世界大戦期まで肥料を中心に扱っていました。建造物は登録有形文化財に指定されています。蔵には、数多くの書画や茶器、調度品などが保存されており、展示する衣装類は、長持一棹にまとめておさめられていたものです。
本学では、昨年夏にご寄贈いただいたのち、教育の一環として、また後世に伝えるため、学生とともに整理作業を進めています。
祝儀の場面を彩った打掛、儀礼の場面に装われた紋付黒羽織などの礼装をはじめとして、暮らしの場面でそれぞれの役割を果たした衣装。その精巧な染織技術や美しいデザインをどうぞご高覧ください。受け継がれる日本特有の文化であるきものに込められた美意識を改めて認識していただければ幸いです。
※期間中の土曜日は午後も開館
※ただし、4月29日(月・祝)、4月30日(火・祝)は開館
近代の礼装きもの
横川公子氏(武庫川女子大学名誉教授・武庫川女子大学附属総合ミュージアム設置準備室室長)
大阪大谷大学博物館