歴史文化学科の教員が「和泉市仏像調査」に参加しました

お知らせ
2025.02.15

文学部 

歴史文化学科の教員が「和泉市仏像調査」に参加しました

 「和泉市仏像調査」は、大阪府和泉市の市史編纂に関わる文化財調査に本学科の日本美術史担当教員が代々携わっている事業です。例年、博物館実習の一環で学生たちとともに複数日程参加していますが、今年度は諸事情により授業の一環ではなく、和泉市より若干名と本学元教員の吉原先生、現教員の高志で行う小規模の調査でした。

 対象は、比較的最近修理された西国三十三観音像をメインとする小さい仏像群でした。

 調査先ではまずご本尊に合掌し、ご挨拶をします。その後、須弥壇よりお像を移動させ、本来であればお身ぬぐいをするところ、修理後の美しいお姿であったため、お掃除はせずそのまま調書を取り、法量の計測や形状・品質構造・保存状態の記録と写真撮影を並行して行いました。近年の修理でお像の表面に新しい金泥が塗布されており光の反射が強いため、撮影には工夫が必要でした。

 仏像の数が多く、朝から夕方暗くなるまでかかりましたが、何とか一日で終えることができました。

 2024年秋、和泉市いずみの国歴史館では「いずみのほとけ」展が行われ、約25年にわたる本学との調査の成果が披露されました。古代から中世、近世まで、あらゆる時代の仏像が並ぶ充実の展示でした。展覧会カタログには、歴代の日本美術史担当教員である吉原先生、田中先生、苫名先生が文章を寄せています。

 これまで地道な調査を続けて来られた和泉市史編さん室の方々に敬意を表するとともに、今後も変わらぬ協力体制を継続できればと思います。(文責:T)