薬学部
薬学部では、3月4日(火)および11日(火)の二日間にわたり、高大連携科目「自然科学演習」を開講しました。この科目は、自然科学への興味・関心を高め、学ぶ力を養うことを目的として2023年度に新設されたものです。
本科目は、大学1年生および高校2年生を受講対象とし、自然現象について、化学・物理・生物・臨床といった多様な視点で学び、分野を横断した理解を深めることで、自然科学への関心を引き出します。
授業は講義・実験・プレゼンテーションで構成されており、大学生と高校生が同じグループで協働することで、学校を越えた交流や新たな視点の獲得が期待されます。
今回は、「身近に潜む『薬剤耐性菌』を探してみよう」というテーマで、本学薬学部学生29名と高校生5名の計34名が参加しました。講義前にはあらかじめ、オンデマンドで実験原理や生物の仕組みや解析方法について、物理・化学・生物・統計の視点から学びました。
1日目には、身近な環境から事前に採取した様々な検体に含まれる微生物コロニーを取り出し、PCR法を用いてDNAの増幅と電気泳動によるDNAのバンド観察を行いました。さらに、感染症の歴史や抗菌薬の種類の見識を深め、耐性菌の出現を阻止することが重要であることを学びました。
2日目には、1日目のPCRで増幅した検体のDNAについて塩基配列から系統解析を行い、グラム染色の結果も照らし合わせながら採取した微生物が何であったかの解析を行い、グループごとに発表しました。
〜自然科学演習の実施要項〜
実施日:2025年3月4日(火)および 11日(火)
場所: 大阪大谷大学 15号館4階実習室
参加学生:本学薬学部1年生29名、羽衣学園高等学校2年生1名、大阪府立鳳高等学校2年生2名、大阪国際高等学校2年生2名
<スケジュール>
◯事前学習:オンデマンド講義視聴(物理、化学、生物、統計)
◯対面授業:
3/4(火)
14:00-14:30 導入講義・作業説明
14:30-16:00 コロニーPCRの実施
16:00-16:30 講義「微生物と抗生物質について」
16:00-16:30 PCR産物の電気泳動
3/11(火)
14:00-14:30 DNA系統解析の講義
14:30-16:00 系統解析、グラム染色顕微鏡観察、発表資料の作成
16:30-17:30 発表会
参加された学生さんから、「初めて実験をして楽しかった」、「自分が採取した検体から微生物が同定できて面白かった」「大学生と高校生で交流ができて良かった」など、有意義な経験になったとの感想をいただきました。
本科目を受講し、無事認定を受けた高校生には履修証が発行され、薬学部連携科目接続入試の対象となる特典も付与されます。
次回は、2026年3月7日(土)、14日(土)両日の開催予定です。
将来を見据えた貴重な体験となる本科目への積極的な参加をお待ちしています!