【薬学部 生化学講座】清水かほり講師らの研究成果が、国際学術誌「The FASEB Journal」に掲載されました

お知らせ
2024.01.22

薬学部 

【薬学部 生化学講座】清水かほり講師らの研究成果が、国際学術誌「The FASEB Journal」に掲載されました

大阪大谷大学薬学部生化学講座の清水かほり講師は、大阪大谷大学薬学部分子生物学講座、国立国際医療研究センター、明治薬科大学、大阪大学、
株式会社リピドームラボとの共同研究により、リン脂質の多様性を形成する酵素「リゾリン脂質アシル転移酵素10(lysophospholipid acyltransferase 10; LPLAT10)」を肝臓内で高発現させることで、グルコース依存性インスリン分泌が促進し、食後高血糖が抑制されることを明らかにしました。本研究成果は、国際学術誌「The FASEB Journal」に掲載されました。


【研究内容】
生体膜の主要な成分であるリン脂質は、2本の脂肪酸を有し、その脂肪酸組成の変化が糖尿病などの生活習慣病の発症・進展に寄与することが近年明らかとなり、大きな注目が集まっています。本研究では、リン脂質を構成する脂肪酸の組成を制御する「リゾリン脂質アシル転移酵素」のひとつであり、機能が十分に解明されていない「LPLAT10」に着目し、LPLAT10が糖代謝に与える影響を検討しました。アデノウイルスベクターを用いてマウスの肝臓においてLPLAT10を高発現させることで、肝臓内のリン脂質の脂肪酸組成が変化し、特にドコサヘキサエン酸を含むリン脂質が増加することを見出しました。そして、LPLAT10によって形成されたリン脂質が血中を介して膵臓に作用することで、グルコース依存性インスリン分泌が促進し、食後高血糖が抑制されることを明らかにしました。本研究成果は、糖尿病に対する新しい治療法の開発につながるものと期待されます。

【掲載論文】
掲載誌:The FASEB Journal, 38(2):e23425, 2024

論文名:Overexpression of lysophospholipid acyltransferase, LPLAT10/LPCAT4/LPEAT2, in the mouse liver increases glucose-stimulated insulin secretion

著者名:Kahori Shimizu*, Moe Ono, Takenari Mikamoto, Yuya Urayama, Sena Yoshida, Tomomi Hase, Shotaro Michinaga, Hiroki Nakanishi, Miho Iwasaki, Tomoyuki Terada, Fuminori Sakurai, Hiroyuki Mizuguchi, Hideo Shindou, Koji Tomita, Toru Nishinaka
(*責任著者)

論文掲載はコチラ

※ 清水かほり 薬学部講師のプロフィール