【薬学部 臨床薬剤学講座】 薬学部5回生 伊藤 優衣さんが筆頭著者の論文が Journal of Reproductive Immunology 誌に掲載されました

お知らせ
2023.12.22

薬学部 

【薬学部 臨床薬剤学講座】 薬学部5回生 伊藤 優衣さんが筆頭著者の論文が Journal of Reproductive Immunology 誌に掲載されました

本学薬学部5回生 伊藤 優衣さん(臨床薬剤学講座 所属)が筆頭著者として執筆した論文(英文)が、欧州生殖免疫学会等と提携する国際的学術雑誌 Journal of Reproductive Immunology 誌(Impact Factor 3.4)に掲載されました。
卵巣がんの組織型の中でも日本人女性に多い明細胞腺がんは、既存のがん化学療法やがん免疫療法が効き難いがんとされています。本研究において伊藤さんは、卵巣明細胞腺がんに対する新しい免疫チェックポイント阻害療法の開発を目指した基礎研究を行いました。日本人女性由来の卵巣明細胞腺がんを用いた細胞培養実験および 3,000 名以上の卵巣がん患者の遺伝子発現解析結果を収録する公開データベースを用いたバイオインフォマティクス解析を実施した結果、卵巣明細胞腺がん表面に過剰発現する "自然免疫" チェックポイント分子の CD47 ならびにそれを細胞内の足元から支える "足場" タンパク質である Moesin が、卵巣明細胞腺がんに対する "自然免疫" チェックポイント阻害療法を開発するための新たな治療標的となる可能性を提唱しました。
なお、本研究は本学薬学部 臨床薬剤学講座と薬物治療学講座および天然薬物学講座との共同研究によるものです。

伊藤 優衣さんのコメント:
『自身の研究成果を世界へ発信することができて、嬉しい気持ちでいっぱいです。実験や論文執筆は初めてのことばかりで思うように進まず、挫けそうになることもありましたが、先輩方や友人が励ましてくれたおかげで最後まで取り組むことができました。一番苦労したことは、英語で自分の考えを論理的に表現することです。何度も推敲・改稿を繰り返して論文を完成させた時には、これまでにない達成感とともに自分自身の成長を実感できました。厳しくも温かく指導してくださった先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。たくさんの支えがあったからこそ得られた成果であることを忘れずに、これからの研究活動に取り組みたいと思います。』
 

【掲載論文の情報】
雑誌名: Journal of Reproductive Immunology
タイトル: Moesin affects the plasma membrane expression and the immune checkpoint function of CD47 in human ovarian clear cell carcinoma.
著者: Yui Ito (a), Takuro Kobori (b), Yoko Urashima (a), Takuya Ito (c), Kikuko Hotta (b), and Tokio Obata (a),*

(a) Laboratory of Clinical Pharmaceutics, Faculty of Pharmacy, Osaka Ohtani University
(b) Laboratory of Pathophysiology and Pharmacotherapeutics, Faculty of Pharmacy, Osaka Ohtani University
(c) Laboratory of Natural Medicines, Faculty of Pharmacy, Osaka Ohtani University
* Corresponding author
論文へのURL: https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0165037823003911

 

問い合わせ先(研究に関すること):
薬学部 臨床薬剤学講座 准教授 小畑 友紀雄
E-mail: obatatoki[at]osaka-ohtani.ac.jp

薬学部 薬物治療学講座 講師 小堀 宅郎
E-mail: koboritaku[at]osaka-ohtani.ac.jp