歴史文化学科の学生が「歴史観光フィールドワーク」で京都東山に行ってきました。5/13(土)

お知らせ
2023.06.13

文学部 

歴史文化学科の学生が「歴史観光フィールドワーク」で京都東山に行ってきました。5/13(土)

 天気は曇り。予報では午後から雨の様子。何とか夕方まで雨が降らないで欲しいと願いつつ、今年度第1回目の歴史観光フィールドワークがはじまりました。

 京都祇園四条駅に集合し、先ずは祇園界隈を歩いて回りました。辰巳神社で写真を撮り、ドラマのワンシーンを味わうかのように巽橋を渡り、四条通へと抜けていきます。

 八坂神社の鳥居を左手に見ながら通りを渡り、今にも芸子さんや舞妓さんとすれ違うのではないかと思わせる花見小路を歩きながら、建仁寺へと向かいました。

 建仁寺は、建仁2年(1202)に、栄西を開山として建立されたお寺です。以来、臨済宗の本山として今日に続いています。

 風神雷神図屏風(俵屋宗達)が私たちを迎えてくれました。本物は京都国立博物館に寄託されていますが、見事な作品です。続いて「あれが○かな?」「どれが△なんだろう?」などと言いながら「方丈庭園○△□乃庭」を進むと、今度は潮音庭が目に入ってきます。あまりの優雅さにしばし時を忘れてその場にとどまりました。現在の方丈は、慶長4年(1599)に安国寺恵瓊が安芸の安国寺から移建したものです。

 法堂では、天井一面に2匹の龍が描かれていました。もともとは描かれておらず、平成14年(2002)に建仁寺創建800年を記念して描かれたそうです。一見の価値はあります。三門、勅使門を見学して、私たちは建仁寺を後にしました。

 続いて訪れたのは六波羅蜜寺です。六波羅蜜寺と言えば空也をすぐに思い浮かべるのではないでしょうか。口から六体の阿弥陀仏が現れている像、あの空也です。日々、南無阿弥陀仏と称え続けた空也のすがたが描かれたものです。教科書などでは見たことがあるものの、本物の空也像をはじめて観た学生たちは、驚きと感動に包まれていました。ただ、中には「空也さんは口から仏様を吐き出しているの? なんか苦しそう」などと、思いもよらない感想を漏らす学生もいました。

 ちなみに、「六波羅蜜」とは、悟りの世界に到る(すなわち彼岸に到る)ために行う修行のことです。

 また、この六波羅蜜寺の周辺は、かつて「六波羅探題」が置かれていた場所でもあり、かつての面影を残す名も残っています。

 六波羅蜜寺を出て、大和大路を南下し京都国立博物館を目指します。途中、方広寺の鐘楼に立ち寄りました。大坂の陣の引き金となったともいわれる「君臣豊楽」「国家安康」の文字が刻まれた梵鐘があります。梵鐘の大きさ・重さ以上に、歴史の重みを感じさせてくれます。

 ここで、一行は遅めのランチタイム。三々五々にランチを楽しみました。

 教員IとNは、女坂と呼ばれる京都女子大学・高校の通学路に位置するお店に入りました。男2人で女坂でのランチタイムとは、あまりにも似つかわしくない光景ですが、幸い土曜日ということで、観光客と思われるお客さんが多く、まわりの目を気にすることもなく窓際の席でランチを食しました。

 ランチタイムが終わり、京都国立博物館前に集合した一行は、記念撮影を終えて館内へと入っていきます。

 今回は、特別展「親鸞展」が開催されていました。今年は親鸞生誕850年目です。普段は閲覧することのできない貴重な国宝・重要文化財の類いが数多く展示されていました。浄土真宗各派が所蔵する宝物が、派を超えて一つ所に展示されることなど、滅多にあることではありません。親鸞直筆の書では、若かりし頃と晩年期の筆遣いを比較することもでき、見れば見るほど興味をそそられます。中でも、本願寺派(西本願寺)、大谷派(東本願寺)、高田派(専修寺)がそれぞれ所蔵する『教行信証』を三つ並べての展示は、まことに圧巻でした。

 銘々に展示を見てまわったあと、我々は随時解散としました。3時間近くかけて展示を見てまわった学生もいたようです。

 今回は京都の東山界隈の一角を見て回りましたが、参加した学生は、大阪や奈良とは違う歴史の雰囲気を感じ取ってくれたことでしょう。これからも歴史を学ぶことの楽しさを継続して探究してもらえたらと思います。

 京都国立博物館を出る頃には雨が降っていました。雨が降っていなければ、もう少し京都の町を楽しみたいと思った学生もいたでしょうが、それはまたの機会ということで・・・。

(文責 N)

文学部 歴史文化学科のページはこちら