文学部
令和5(2023)年度の日本語日本文学会の活動として、長唄(ながうた)を聴く会を開催しました。
日本語日本文学会による活動が行われるのは、実は4年ぶり。残念ながら、コロナ禍で中断していたのですが、今年ようやく再開できました。
長唄は、18世紀初めごろに歌舞伎の音楽として成立し、主に江戸で発展してきた三味線音楽。その後、歌舞伎から独立して純粋に音楽としても作曲・演奏されるようになりました。三味線だけでなく、囃子(はやし=能管/篠笛・小鼓・大鼓・太鼓)と一緒に舞台で演奏するのがその特徴です。
演奏会当日は、囃子の中村壽鶴(なかむらじゅかく)さんをはじめ、邦楽の分野で活躍されている7名の皆様をお迎えした豪華な舞台となりました。
演目は、長寿を祝う「松の翁(まつのおきな)」、悲しい恋の物語である「二人椀久(ふたりわんきゅう)」、義経伝説を扱った「勧進帳(かんじんちょう)」など、バラエティ豊富。
中村さんからは演奏だけでなく、楽器の説明も。上演中は小鼓など楽器類の「音程」をその場で細かく調整する話や、そのために例えば笛は何十本も準備する話など、普段なら聞けない話をうかがうことができました。笑顔あふれる解説に、学生も聞き入っていましたよ。
日本の代表的な伝統音楽であるとは言え、「本物」にふれるのは初めてという学生がほとんど。ただ実際にふれてみると、かなりおもしろかったようで、質疑応答では何人も手を上げていましたし、公演後のアンケートもとても好評でした。
ようやく再開した学会活動。今後も充実したイベントを企画できればと思っております。